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ラクルイノヨルニ
「陽炎のせい」
陽が暮れる前に思い出した
路地裏でふいに思い出した
錆び付いたジャングルジムの匂い
走り抜けてく小学生が
夕立の中に消えていった
大事なものってなんだったっけ
いつか擦り抜けてしまったんだ
振り向けばとても遠去かった
捕まらない もう追い掛けてもいないし
何度でも同じ話をした
ラムネの瓶が汗をかいた
どうやら もう手遅れみたいだ
陽炎、あんたのせいだ
僕らはいつも繰り返した
そして また離れた
影法師を踏み合って遊んだ
外灯の下の笑い声が
振り返れば聞こえる気がした
夕焼け小焼けの跡に
残った火種が灰になって
あの日の火葬場みたいだった
秘密基地は失くなってしまった
錆びた鉄の匂いが付いて
公園の水道で洗った
洗い流した
陽炎、あんたのせいだ
僕らはいつも繰り返しだ
誰かのせいにしたかった
影法師を踏み合って遊んだ
外灯の下の笑い声が
振り返れば聞こえる気がした
そんなわけあるか
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